平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-(p44-45)
~浄土思想の宇宙観をあらわす建築と庭園~
- 奥州藤原氏(藤原清衡・基衡・秀衡)が11世紀後半~12世紀後半にかけて築いた。
- 8~12世紀に広まった仏教の浄土思想の宇宙観に基づいている。
- 6世紀伝来の仏教+日本古来の自然崇拝->11世紀の末法思想が広がり、浄土思想が興隆
- 浄土思想=現世の心の平和だけでなく、死後に仏国土(浄土)に行き成仏したい!→金色堂:阿弥陀如来の仏国土(浄土)を表現
- 自然崇拝と仏教の融合⇒庭園設計と造園によって仏国土を表現
- 仏教とともに伽藍造営・策定の技術も伝来⇒日本古来の水辺の祭祀場の水景の理念→独自の浄土庭園=東アジアにおける建築・作庭の価値観の交流
<構成遺産>
- 中尊寺:清衡が堀河天皇の勅命を受けて再興し金色堂を建立。
- 毛越寺:基衡が造営。大泉が池を中心とする浄土庭園には平安時代遺構として最大規模の遣水が残る。
- 観自在王院:基衡の妻が建立。大小の阿弥陀堂と浄土庭園があったが火災で伽藍が消失。現在は浄土庭園が公園として残る。
- 無量光院跡:秀衡が平等院鳳凰堂を模した阿弥陀堂を建築し浄土庭園を造営。
- 金鶏山:浄土庭園において仏国土を空間的に表現する際の中心的役割を果たす。
おまけ:
私が訪れた世界遺産シリーズ

開城の歴史的建造物群と遺跡群(朝鮮民主主義人民共和国)。2013年登録。
登録基準:ⅱ、ⅲ
ⅱ:文化交流を証明する遺産
ⅲ:文明や時代の証拠を示す遺産
確かツアーではここと善竹橋も行くことになってたけど結局行かなかった。今ちょうどイ・ソンゲ時代の韓国ドラマやってて、善竹橋は圃隠先生が殺された橋かぁ、ってちょっと知ってるところが出ると嬉しかったりする。行かなかったけど。
住んでる人はいたって普通の人々で我々と何も変わらない。みんな怖いし行ったら帰れないみたいなこと言ってるけど、行って実際に見てもらいたい。
普通の旅行者にとってはとても安全な国である。首相も行けばよいと思う。

危機遺産(p37-40)
危機遺産とは
危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)に記載されている遺産
1979年(最初の世界遺産が誕生した翌年)、「コトルの文化歴史地域と自然(モンテネグロ)」が初めて記載
2023年9月時点で56件
第45回世界遺産委員会で・・・
新たにリスト入り2件
危機遺産を脱した遺産
- カスビのブガンダ王国の王墓(ウガンダ共和国)
危機遺産に登録される遺産は?
- 自然災害や紛争・戦争による遺産そのものの破壊
- 都市開発や観光開発による景観悪化
- 密漁や違法伐採による環境破壊
⇒重大かつ明確な危険にさらされている場合
危機遺産に登録されると?
→世界遺産基金の活用や各国の政府、民間機関からの財政的・技術的援助を受けられる
それでも・・・
世界遺産の顕著な普遍的価値が損なわれたと判断された場合は、世界遺産リストから削除される。
<世界遺産リストから削除された例>
→保護地区内での資源開発により、危機遺産リストに記載されることなく削除
→橋の建設による景観悪化
→バッファー・ゾーンを含む港湾開発
おまけ:
私が訪れた世界遺産シリーズ

登録基準:ⅱ、ⅲ
ⅱ:文化交流を証明する遺産
ⅲ:文明や時代の証拠を示す遺産
正祖が父の思悼世子のお墓を水原に移してその周囲に城壁や塔、楼閣などを築いた。少し前に「イ・サン」のドラマを見て最後のほうに水原にお墓と都を移したいってやってたなぁ。
ちょうど前年に共和国に行ったので、今度は韓国側から板門店に行きたいなぁと思い、夏休みでプサン~全州~ソウルと旅した時に行った。龍仁大長今パークとセットで訪問。韓国時代劇好きにはたまらない。

世界遺産に関係する機関(p32)
世界遺産条約締約国会議
世界遺産委員会
世界遺産センター
ICOMOS(イコモス)=国際記念物遺跡会議
IUCN=国際自然保護連合
ICCROM(イクロム)=文化財の保存及び修復の研究のための国際センター
- イタリアのローマに本部
- 1959年設立
- 不動産と動産両方の文化遺産の保存強化を目的とした研究や記録の作成・助言、技術支援、技術者・専門家の養成、普及・広報活動
おまけ:
私の訪れた世界遺産シリーズ

ナスカとパルパの地上絵(ペルー)。1994年登録。
登録基準:ⅰ、ⅲ、ⅳ
ⅰ:人類の創造的資質を示す遺産
ⅲ:文明や時代の証拠を示す遺産
ⅳ:建築技術や科学技術の発展を証明する遺産
ペルー・ボリビア周遊で最初に訪れた。日本人のグループと一緒にセスナに乗り込み優雅に周遊。終わったら搭乗証明書をいただける。それにしても上から見えるわけでもなかろうに、いったいどうやって正確な絵を描いたのだろう・・・。

MAB計画・トランスバウンダリー・サイト/シリアル・ノミネーション・サイト(p35,36)
1.MAB計画
- 1971年ユネスコが「環境資源の持続可能な利用と環境保全を促進する」ことを目的に立ち上げた研究計画。人類と環境の接点に注目し、そこでの問題解決を目指す。
- 保護すべき自然を生物圏保存地域として三段階の区域に分け保護
⇒世界遺産条約では核心地域とバッファー・ゾーンの概念を援用。
近年は小笠原諸島でバッファーゾーンを設定する代わりに、小笠原諸島から東京湾までをトランジッション・エリアのようにして保護など、時代によって遺産保護の在り方も多様化。
2.トランスバウンダリー・サイト/シリアル・ノミネーション・サイト
トランスバウンダリー・サイト(国境を越える資産)
多国間の協力の下で遺産を保護・保全することを目指す。
もともとは国境線を越えて多国間に広がる自然遺産を登録する際に考え出された。
文化遺産もかつて一つの文化圏であった地域が国境で分断されてしまったものを保護する。
シリアル・ノミネーション・サイト(連続性のある資産)
文化や歴史的背景、自然環境などが共通する資産を、一つの資産として顕著な普遍的価値を有するものとみなし登録。
国境を越えて存在するものはトランスバウンダリー・サイトとなる。
<例> 青がトランスバウンダリー・サイト
自然遺産:
ワッデン海(オランダ・ドイツ・デンマーク)。2009年登録。世界最大の干潟。
カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林(ウクライナ・スロバキア。ドイツなど9か国)。2007年登録。世界最大規模のブナの厳正地帯。
カムチャッカ火山群(ロシア)。1996年登録。
文化遺産:
ベルギーとフランスの鐘楼群(ベルギー・フランス)。1999年登録。2005年追加。
福建土楼群(中国)。2008年登録。漢民族の客家の伝統的な集合住宅。
ヨーロッパの大温泉都市群(イタリア、英国など7か国11の温泉都市)。2021年登録。
おまけ:
私の訪れた世界遺産シリーズ

登録基準:ⅳ
ⅳ:建築技術や科学技術の発展を証明する遺産
水曜どうでしょうを見て、ちょっとムンクさんとサンタさんに会いに行こうと思ってノルウェー・フィンランドに行ったときに訪問。でも、ノルウェーメインだったので実はあまり覚えていない・・・。ヘルシンキの港で画家さんが自分で描いた絵をマグネットにして売っていて購入。思えばそこから私のマグネット収集は始まった気がする。当時もキットカットのミニが400円もする!とかって物価の高さに驚いていたが、今だと一体いくらするのだろうか・・・。日本は安い国になってしまったなぁ。

世界遺産基金、日本と世界遺産(p34)
1.世界遺産基金
世界遺産の価値を守り伝えてゆくために設立
世界遺産条約締結国の分担金(ユネスコ分担金の1%)、政府間機関、団体、個人などからの寄付金をもとに運営。
世界遺産委員会が決定する目的にのみ使用
代表例:
緊急援助:大規模な災害や紛争による被害への援助
準備援助:推薦書や暫定リストなどを作成するため
ユネスコ分担金の最大拠出国のアメリカがパレスチナのユネスコ加盟反対のため2018年脱退したので、世界遺産基金も厳しい予算状況にある。
2.日本と世界遺産
<日本と世界遺産との関係>
1951年 第二次世界大戦後最初に加盟した国際機関=ユネスコ
1972年 世界遺産条約がユネスコ総会で採択された時の議長国
1992年 日本が世界遺産条約を締結(125番目の締結国)
2019~22年 中国に次ぐ第二のユネスコ分担金拠出国
→2022年に推薦書が提出されたが内容不備で取り下げた。
<世界遺産センターへの推薦候補になるまでの道>
おまけ:
私が訪れた世界遺産シリーズ

ハ・ロン湾=カット・バー群島(ベトナム)。1994年登録、2000、2023年範囲拡大。
登録基準:ⅶ、ⅷ
ⅶ:自然部や景観美、独特な自然現象を示す遺産
ⅷ:地球の歴史の主要段階を証明する遺産
石灰岩台地の風化によってできた1600もの島がハロン湾に点在。
カットバー群島はハロン湾の西に浮かぶ大小367の島で構成。
1泊2日のツアーに申し込んだのだが、行きのバスだか船だかで、荒天のため日帰りツアーになりましたって言われて、ハノイから日帰りとなってしまった。鍾乳洞見学もツアーにあるが中のライトアップがまたすごかった。青とか赤とか鮮やか。それまでは黄色っぽいの1色とかしか見たことなかったのでちょっとびっくり。

北海道・北東北の縄文遺跡群(p42-43)
北海道・北東北の縄文遺跡群(Jomon Prehistoric Sites in Northern Japan)
2021年登録(第44回世界遺産委員会@オンライン開催)。
登録基準:ⅲ、ⅴ
ⅲ:文明や時代の証拠を示す遺産
ⅴ:独自の伝統的集落や、人類と環境の交流を示す遺産
- 縄文時代の狩猟・漁労・採集による定住の開始と発展、成熟を示す。
-
3つのステージとそれぞれ2つの小区分に分け構成資産を位置づける
ステージ1:定住の開始
1a:居住地の形成。土器使用開始(紀元前13000~7000年)
- 大平山元遺跡(青森県):石器とともに土器片が出土
1b:集落の成立。居住域と墓域の分離(紀元前7000年~5000年)
- 垣ノ島遺跡(北海道):竪穴建物の居住域と土坑墓の墓域が分離
ステージ2:定住の発展
2a:集落施設の多様化。祭祀場的な捨て場が形成(紀元前5000~3000年)
2b:拠点集落の出現。集落の祭祀場が多様化(紀元前3000~2000年)
- 三内丸山遺跡(青森県):竪穴建物、掘立柱建物、列状の土抗墓、埋設土器、盛土など。2000点を超える土偶など出土⇒祭祀、儀礼が長期間行われていた
- 大船遺跡(北海道):100頭を超える竪穴建物跡、大規模な盛土、100基以上の土坑群
- 御所野遺跡(岩手県):配石遺構を伴う墓域、祭祀に伴う盛土。火を使用した祭祀が行われた。竪穴建物は土で覆う屋根構造だった。
ステージ3:定住の成熟
3a:共同の祭祀場と墓地の進出。集落は小規模化、集落外に共同の祭祀場と墓地(紀元前2000~1500年)
- 入江貝塚(北海道):竪穴建物の居住域と土坑墓による墓域で構成
- 小牧野遺跡(青森県):環状列石、捨て場、湧水遺構、土坑墓群、土器棺墓
- 伊勢堂岱(いせどうたい)遺跡(秋田県):4つの環状列石
- 大湯環状列石(秋田県):万座環状列石・野中堂環状列石。掘立柱建物、貯蔵穴、土壙墓などが環状列石を取り囲むように同心円状に配置。
3b:祭祀場と墓地の分離。祭祀・儀礼が充実。共同墓地、祭祀場が顕著(紀元前1500~400年)
- キウス周堤墓群(北海道):周堤墓=大規模な土手で囲まれた共同墓地
- 大森勝山遺跡(青森県):環状列石を主体とする祭祀遺跡
- 高砂貝塚(北海道):貝塚と墓域(土坑墓と配石遺構)で構成。
- 亀ヶ岡石器時代遺跡(青森県):土壙墓が多数群集。捨て場には漆塗りの土器や漆器、土偶、植物製品、ヒスイ製の玉類。「遮光器土偶」出土。
- 是川石器時代遺跡(青森県):一王子、堀田、中居の3つの遺跡からなる。捨て場からは精巧な土器、土偶、漆塗りの弓など漆製品が出土。
おまけ:
私が訪れた世界遺産シリーズ

アンコールの遺跡群(カンボジア)1992年登録。
登録と同時に危機遺産にも登録されたが、日本をはじめ修復に協力し2004年に危機遺産から脱した。
9~15世紀にかけて東南アジアに巨大帝国を築いたアンコール朝の都市遺跡。
登録基準:ⅰ、ⅱ、ⅲ、ⅳ
ⅰ:人類の創造的資質を示す遺産
ⅱ:文化交流を証明する遺産
ⅲ:文明や時代の証拠を示す遺産
ⅳ:建築技術や科学技術の発展を証明する遺産
カンボジアは食事がイマイチだった記憶。何かにやられて帰国後おなかを壊した。二人乗りの小型飛行機でアンコールワット周辺を遊覧飛行。ゴルフ場とかもあったなぁ。シェムリアップをずっとシュリムアップだと思っていた。
バンコクから列車で国境の町まで行き、歩いて国境こえたよき想い出。アンコールワット遺跡群しか行かなかったが、プノンペンとかも行ってみたかったなぁ。プレア・ビヒアも。
世界遺産登録の流れ(p31-32)
世界遺産登録への道
-
世界遺産条約を締結する。
-
1年に1回、2/1までに暫定リストの中から自然遺産と文化遺産を合わせて1件を世界遺産センターに推薦する。
遺産の顕著な普遍的価値を証明する書類、遺産の保全体制・計画などを記載した推薦書を提出する。
-
世界遺産センターが自然遺産はIUCN、文化遺産はICOMOSへ専門調査依頼。各機関は現地調査を行い、追加報告書や改善の必要があれば世界遺産センターを通じて遺産保有国へ連絡する。
-
推薦書提出期限翌年に開催される世界遺産委員会の6週間前までに、最終的な審査結果と提言を含む評価報告書が、IUCN/ICOMOSから世界遺産センターに提出される(複合遺産の場合はIUCN/ICOMOS両方が調査・報告書を提出)。
- 世界遺産委員会で審議が行われ、以下の4段階で決議される。
-
登録:顕著な普遍的価値を認められ、無事に世界遺産として認定!
-
情報照会:追加情報必要。次回の世界遺産委員会に推薦書を再提出すれば審査可。ただし、3年以内に再提出されないと無効。
-
登録延期:推薦書の改善が必要。推薦書の再提出から1年半の審議。
-
不登録:残念。1度不登録となると再推薦は難しい。
最新の世界遺産委員会
2023/9/10-25 第45回世界遺産委員会 in リヤド
- 2022年にロシアのタタールスタン共和国カザンで開催予定だったがロシアのウクライナ侵攻で延期となった。
- 文化遺産33件、自然遺産9件、計42件の追加登録が決定、1199件の世界遺産
- 新たに遺産保有国にルワンダが加わり、195の加盟国中168か国が世界遺産保有国に。(ルワンダ虐殺の記憶の場:ニャマタ、ムランビ、ギソジ、ビセセロ)
- 新たな概念「記憶の場」:国家とその国民、コミュニティが記憶に残したいと考える出来事が起こった場所。平和と対話の文化を促進する教育的な場所でならない。負の遺産に似ているが、記憶の場は近年の紛争に関連して正式に定義されている点が異なる。
2023/1 世界遺産委員会臨時総会 in パリのユネスコ本部
次回 2024/7/21-31 第46回世界遺産委員会 in ニューデリー
佐渡島の金山の審査が行われる。
おまけ:
私の訪れた世界遺産シリーズ

九塞溝の渓谷の景観と歴史地域(中国)。1992年登録。
登録基準:ⅶ
ⅶ:自然美や景観美、独特な自然現象を表す遺産
確か、成都⇔九塞溝バスで往復した記憶が。四川大地震の後でまだ土砂崩れの後とかがバスから見えた。帰りがとんでもなく時間かかった。
この前に楽山大仏行ったのだが、閉園間近だったのもありガラガラだった。しかし10年後訪れたらGWだったのもあり大混雑だった。せめて日本と中国のGWは別にしてほしい。
3泊して、1日は同じく世界遺産の黄龍にいったがそちらもとても美しかった。高度が4000m近くあるので夏でも14度。九塞溝もエアコンない部屋だったが快適だった。